図面(平面図・求積図・照明音響設備図)の書き方

深夜営業許可に必要な図面の書き方

深夜酒類提供飲食店営業の届出にはお店の図面を添付する必要があります。
この図面とは一般的に「平面図」、「営業所求積図」、「客室・その他求積図」、「照明・音響設備図」の4枚の図面のことをいいます。

注意

  1. 図面は警察署によって異なる場合があります。ここでは東京都の事例で説明します。
  2. ここで説明している図面はあくまでサンプルになりますのでこの通りの図面を作成したからといって届出が受理されることを保証したものではありません。

ここでは、それぞれの図面について説明しております。
また、深夜酒類提供飲食店営業の届出に必要な図面は何でもいいというわけではありません。
客室と調理場を分けて面積を算出するなど独自性があります。
このような注意点も踏まえて説明させていただきます。

平面図の書き方

平面図は最も基本的な図面になります。
平面図とは、営業所を上からみたときの状況を図面にしたものといえます。
入口やトイレの位置、テーブルやイスの場所などを記入します。

平面図のサンプル

平面図の書き方

  1. お店の測量をする
  2. CADで図面を描く
  3. 営業所は壁芯、客室・調理場は内壁で線を書く
  4. イス・テーブルの高さを書く

1 お店の測量をする

内壁を中心に距離を測っていきます。
柱や壁などを目印に方位を気にしながら書くのがコツです。
ここでしっかり測量しないとCADで図面を描くときもずれてしまいます。

測量にはメジャーの他、レーザー測量器や分度器があると便利です。
現実問題メジャーだけだと正確な計測は難しいです。

当事務所が使用しているレーザー測量器です。

レーザー測量器の写真

続いてメジャーです。
メジャーはいくつか所持しています。
これは50mまで計測できます。

メジャーの写真

角度を計測するときはデジタル分度器で測ります。

デジタル分度器の写真

2 CADで図面を描く

深夜酒類提供飲食店営業の届出で提出する図面は、CADで描くのが一般的です。
手書きでも書けないことはないと思いますが、正確さや手軽さを重視するとCADで描くのが
いいと思います。
また、警察署の対応も手書きとCADでは全然違います。

3 営業所は壁芯、客室・調理場は内壁で線を書く

営業所の壁芯は青色の線で書きます。
営業所面積は壁芯を基準に計算する決まりなので壁芯に線を引きます。

逆に客室面積(赤線)と調理場面積(緑線)は内壁を基準に計算するので、
内壁に線を引きます。

なお、線の色はだいたい決まりがありますのでサンプルと同じようにしてください。

4 イス・テーブルの高さを書く

ここでは割愛しましたが、警察署によってはイスやテーブルの側面図を書く場合もあります。
イスやテーブルの場所や数はお店で配置されている通りに書かなければなりません。

営業所求積図の書き方

営業所求積図は営業所の面積を計算するための図面になります。
面積を算出するために計算しやすい形に分けて面積を算出します。

営業所面積には、あなたが借りている(所有している)場所全部が含まれます。

営業所面積に含まれない場所として、第三者が自由に入れる場所は除外します。

例えば、エレベーターやエレベーターホール、非常階段などは基本的に営業所には含みません。
また、バルコニーやベランダも基本的には含みません。(※東京都の場合)

どの部分が営業所から除かれるかは都道府県によって異なりますので、営業所面積に含まれるか分からない場合は管轄の警察署に相談してください。

営業所求積図のイメージ

営業所求積図の計算方法

  1. 計算しやすい形に面積を分ける
  2. 寸法を測る
  3. 面積を計算する
  4. 営業所全体の面積を計算する

1 計算しやすい形に面積を分ける

営業所の面積を1度に計算しようとしても無理なので、面積を計算しやすい形に分ける必要があります。
面積の一般的な計算方法は、三角形、四角形、円、台形なので、営業所の面積を三角形などの形に分けます。
サンプルではA~Fまでの6つに分けました。

2 寸法を測る

面積を計算しやすい形に分けたら1辺の長さをだします。
CADだと点と点をクリックするだけで長さがでるので便利です。

3 面積を計算する

サンプルの右側の計算式のように面積を計算します。
計算の方法は小数点2桁どうしを計算して小数点4桁の面積を算出します。
A~Fまでのそれぞれの面積を計算します。

4 営業所全体の面積を計算する

A~Fまでの小数点4桁の面積がでたら、A~Fまでの面積を足します。
足した面積が営業所の面積となります。
最後に、営業所の面積を少数点2桁になるように四捨五入します。
サンプルのように29.02㎡となるようにします。

客室・その他求積図の書き方

客室・その他求積図は営業所求積図のやり方とほぼ同じです。

まずは客室・調理場の面積を算出します。
客室・調理場の面積は営業所求積図で説明したやり方と同じです。

次にその他面積を算出します。
営業所の面積から客室と調理場の面積を引いてその他面積を算出します。

客室面積にはカウンターやボトル置場などが含まれます。

どこが客室面積に含まれるかはお店の構造によって異なります。

基本的な考えでは客室とはお客さんが容易に立ち入ることができる場所をイメージしてください。
客室面積かどうかは行政書士でも判断が難しいこともありますので迷ったら警察署に相談してください。

客室求積図サンプル
客室・その他求積表サンプル

照明・音響設備図の書き方

照明・音響設備図は照明と音響設備の配置図を図面上に記したものになります。
加えて照明と音響設備の名称やワット数及び数を記載します。

照明・音響設備図のサンプル

照明・音響設備図の書き方

  1. 照明と音響設備の位置を図面に書く
  2. 設備表に名称やワット数及び数を書く

1 照明と音響設備の位置を図面に書く

サンプルのように照明と音響設備の位置を図面に書きます。
色や大きさを変えることによって名称やワット数の違いを分かりやすくするといいでしょう。

2 設備表に名称やワット数及び数を書く

照明の種類ごとに名称やワット数及び数を書きます。

照明の種類は以下を参考にしてください。

照明の種類

照明種類の写真

深夜酒類提供飲食店の届出書を代行します。