深夜酒類提供飲食店(深夜営業許可)でダーツバーは営業できるのか?

注意事項

デジタルダーツは2018年9月より当面の間は風営法から除外されることとなりました。よって下記に記載した10%ルールは一部の例外を除いて適応されません。よって今まで設置できなかった店舗にもデジタルダーツを設置することが可能になりました。

バーを開業したいと思われる方の中には店内にデジタルダーツ機を設置したいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回はデジタルダーツ機(以下、ダーツ機)と風営法の関係について解説します。

インターネットで「風営法 ダーツ」と検索すると色々なサイトがでてきますが、皆さんが知りたい情報をまとめるとポイントは3つになります。

  1. ダーツ機1台につき約22㎡の客室面積が必要
  2. 深夜以降も営業できるが遊興行為との兼ね合いあり
  3. 1の要件をクリアすれば風俗営業許可をとらなくてもいい(逆にいうと1の要件をクリアできなければ風俗営業許可を取る)

それでは順番に解説したいと思いますが、その前にダーツ機と風営法の関係について先に説明します。

しっかりとした法律で決まっていないのでこれからどうなるかは不明

風俗営業許可(深夜酒類提供飲食店営業開始届を含む)というのは風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)を根拠法としていて、さらに風営法の関係法として「施行令」や「内閣府令」などの法律で規定されています。

しかし、ダーツバーで置かれているようなダーツ機についての規定は上記のような法律には書かれていません。

それでは何を基準にダーツ機を置いていいのか判断すればいいのかというと、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準(以下、解釈基準)という通達から解釈します。

しかし、この通達を見ても許可を要する・要しないなどの断定的な書き方はされていません。

以下、解釈基準を引用します。

当面問題を生じないかどうかの推移を見守ることとし、風俗営業の許可を要しない扱いとする。

微妙な表現ですね。

つまり、「現状では1の要件をクリアしていれば許可はいらないが、様子次第ではどうなるかは分からないよ」といったところでしょうか。

1. ダーツ機1台につき約22㎡の客室面積が必要

これも先に解釈基準をご覧ください。

遊技設備設置部分を含む店舗の1フロアの客の用に供される部分の床面積に対して客の遊技の用に供される部分(店舗でない区画された部分も含む。)の床面積(当該床面積は、客の占めるスペース、遊技設備の種類等を勘案し、遊技設備の直接占める面積のおおむね3倍として計算するものとする。ただし、1台の遊技設備の直接占める面積の3倍が1.5平方メートルに満たないときは、当該遊技設備に係る床面積は1.5平方メートルとして計算するものとする。)が占める割合が10パーセントを超えない場合は、当面問題を生じないかどうかの推移を見守ることとし、風俗営業の許可を要しない扱いとする。

つまり、客の用に供される部分(客室)の床面積に対して遊戯する床面積が10パーセントを超えない場合は風俗営業の許可は必要ないということになります。

ここでは以下の2つに注意してください。

  • 客の用に供される部分とは客室(調理場や事務所を除いた)の床面積である
  • ダーツ機の床面積は機械本体だけでなく、スローインスペースも含める

デジタルダーツ機だと機種によって若干の誤差がありますが、必要になる床面積は2,1~2,2㎡と考えてください。

つまり、客室の面積はダーツ1台につき最低でも21~22㎡必要になります。

2. 深夜以降も営業できるが遊興行為との兼ね合いあり

1.の要件をクリアすれば深夜酒類提供飲食店でもダーツ機は設置可能です。

ですが、お店側が客と一緒にゲームをしたり、ダーツ大会などの催し物を開催してしまうと風営法でいう遊興行為にあたる可能性があります。

遊興行為の解釈は地域によって規制の温度差があるといっていいでしょう。

しかし、いくら規制が緩い地域でも遊興行為は深夜0時以降はできないのでご注意ください。

また難しい話になりますが、ダーツ機を設置する場合は風俗営業許可を要しないといっても風俗営業を営む者には該当します。

ですので、風営法22条の禁止行為などの一定の規制は受ける可能性はあります。

3. 1の要件をクリアすれば風俗営業許可をとらなくてもいい

デジタルダーツ機は客室の面積によって設置できるか、できないかが決まります。

客室の面積が狭い場合はダーツ機を設置しないか、風俗営業許可を申請します。

この時の風俗営業許可は風俗営業許可のなかでも5号営業といってゲームセンターなどと同じ許可になります。

しかし、風俗営業許可は営業時間が原則深夜0時までとなっており、深夜帯に人が集まるバーなどには不向きな許可といえます。

よって、深夜以降も営業するバーでダーツ機を設置する場合は客室の面積要件をクリアするとともに、深夜酒類提供飲食店営業開始届を届出するのがベストな選択といえるでしょう。

深夜酒類提供飲食店営業開始届とダーツ機

以上のようにダーツ機の面積が客室の面積の10パーセントに満たない場合は風俗営業許可を申請する必要はありません。

ですが、お店が深夜以降も営業する場合は深夜酒類提供飲食店営業開始届を届出しなければなりません。

そこで問題になるのが深夜酒類提供飲食店営業開始届の図面にダーツ機を描いたほうがいいのかどうかということです。

皆様の中にはダーツ機を図面に描くことで逆に警察に目をつけられるのではないかという心配をする方もいると思います。

しかし、当事務所では図面に描くのをお勧めいたします。

なぜなら、後から指摘されるよりも最初から了承を得るほうが心象がいいのと、万が一面積要件をクリアできていない場合は風俗営業許可の無許可営業に該当してしまうからです。

当事務所ではダーツ機の図面も他の図面と一緒に作成しますので何か分からないことがあればお気軽にお問合せください。

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