飲食店のオープンには最低限の設備が必要です

保健所の施設基準とは飲食店営業許可を取得するために必要なお店の設備に関する基準のことをいいます。

この基準を満たさないと許可は取れませんのでお店を営業することはできません。
もし、許可を取らないで営業した場合は無許可営業となり罰則があります。

施設基準を満たしているかどうかは申請後に保健所の担当者が実際にお店まできてチェックします。

このチェックをクリアできると、東京都の場合は翌日(保健所の営業日換算)から営業することができます。

営業施設の共通基準

それでは施設基準について解説します。施設基準は大きく分けると共通基準と特定基準に分かれます。
特定基準は菓子製造業許可など飲食店営業許可以外の一部の許可を取得する場合に必要になります。
「保健所営業許可とは」でも解説していますが、保健所の許可は全部で32業種あります。

1 営業施設の構造
施設

施設は、屋外からの汚染を防止し、衛生的な作業を継続的に実施するために必要な構造又は設備、機械器具の配置及び食品又は添加物を取り扱う量に応じた十分な広さを有すること。

区画 食品等への汚染を考慮し、公衆衛生上の危害の発生を防止するため、作業区分に応じ、間仕切り等により必要な区画がされ、工程を踏まえて施設設備が適切に配置され、又は空気の流れを管理する設備が設置されていること。
ただし、作業における食品等又は従事者の経路の設定、同一区画を異なる作業で交替に使用する場合の適切な洗浄消毒の実施等により、必要な衛生管理措置が講じられている場合は、この限りでない。 なお、住居その他食品等を取り扱うことを目的としない室又は場所が同一の建物にある場合は、これらと区画されていること。
汚染等防止 じんあい、廃水及び廃棄物による汚染を防止できる構造又は設備並びにねずみ、昆虫等の侵入を防止できる設備を有すること。
床・内壁・天井 床面、内壁及び天井は、清掃等を容易にすることができる材料で作られ、清掃等を容易に行うことができる構造であること。
床面及び内壁の清掃等に水が必要な施設にあっては、床面は不浸透性の材質で作られ、排水が良好であること。内壁は、床面から容易に汚染される高さまで、不浸透性材料で腰張りされていること。
照明設備 照明設備は、作業、検査及び清掃等を十分にすることができるよう必要な照度を確保できる機能を備えること。
換気設備 食品等を取り扱う作業をする場所の真上は、結露しにくく、結露によるかびの発生を防止し、及び結露による水滴により食品等を汚染しないよう換気が適切にできる構造又は設備を有すること。
駆除設備 必要に応じて、ねずみ、昆虫等の侵入を防ぐ設備及び侵入した際に駆除するための設備を有すること。
手洗設備 従事者の手指を洗浄消毒する装置を備えた流水式手洗い設備を必要な個数有すること。なお、水栓は、洗浄後の手指の再汚染が防止できる構造であること。
洗浄設備 食品等を洗浄するため、必要に応じて熱湯、蒸気等を供給できる使用目的に応じた大きさ及び数の洗浄設備を有すること。
冷蔵冷凍設備 食品又は添加物を衛生的に取り扱うために必要な機能を有する冷蔵又は冷凍設備を必要に応じて有すること。
製造及び保存の際の冷蔵又は冷凍については、法第13条第1項の基準又は規格に冷蔵又は冷凍について定めがある食品を取り扱う営業にあっては、その定めに従い必要な設備を有すること。
保管設備 原材料を種類及び特性に応じた温度で、汚染の防止可能な状態で保管することができる十分な規模の設備を有すること。また、施設で使用する洗浄剤、殺菌剤等の薬剤は、食品等と区分して保管する設備を有すること。
製品包装場所 製品を包装する営業にあっては、製品を衛生的に容器包装に入れることができる場所を有すること。
添加物取扱設備 添加物を使用する施設にあっては、それを専用で保管することができる設備又は場所及び計量器を備えること。
更衣場所 更衣場所は、従事者の数に応じた十分な広さがあリ、かつ、作業場への出入りが容易な位置に有すること。
2 食品取扱設備
機械器具 機械器具等は、適正に洗浄、保守及び点検をすることができる構造であること。
作業に応じた機械器具等を備えること。
食品又は添加物に直接触れる機械器具等は、耐水性材料で作られ、洗浄が容易であり、熱湯、蒸気又は殺菌剤で消毒が可能なものであること。
固定し、又は移動し難い機械器具等は、作業に便利であり、かつ、清掃及び洗浄をしやすい位置に有すること。組立式の機械器具等にあっては、分解及び清掃しやすい構造であり、必要に応じて洗浄及び消毒が可能な構造であること。
運搬容器 食品又は添加物を運搬する場合にあっては、汚染を防止できる専用の容器を使用すること。
計量器

冷蔵、冷凍、殺菌、加熱等の設備には、温度計を備え、必要に応じて圧力計、流量計その他の計量器を備えること。

3 給水、排水及び汚物処理
給水設備 ①水道事業等により供給される水又はこれ以外の飲用に適する水を施設の必要な場所に適切な温度で十分な量を供給することができる給水設備を有すること。水道事業等により供給される水以外の水を使用する場合にあっては、必要に応じて消毒装置及び浄水装置を備え、水源は外部から汚染されない構造を有すること。貯水槽を使用する場合にあっては、食品衛生上支障のない構造であること。
②法第13条第1項の基準又は規格に食品製造用水の使用について定めがある食品を取り扱う営業における給水設備①の基準の適用については、「飲用に適する水」とあるのは「食品製造用水」とし、食品製造用水又は殺菌した海水を使用できる旨の定めがある食品を取り扱う営業における給水設備①の基準の適用については、「飲用に適する水」とあるのは「食品製造用若しくは殺菌した海水」とする。
排水設備 十分な排水機能を有し、かつ、水で洗浄をする区画及び廃水、液性の廃棄物等が流れる区画の床面に設置されていること。
汚水の逆流により食品又は添加物を汚染しないよう配管され、かつ、施設外に適切に排出できる機能を有すること。
配管は、十分な容量を有し、かつ、適切な位置に配置されていること。
便所 以下の要件を満たす便所を従事者の数に応じて有すること。
(1)作業場に汚染の影響を及ぼさない構造であること。
(2)専用の流水式手洗い設備を有すること。
廃棄物容器 廃棄物を入れる容器又は廃棄物を保管する設備については、不浸透性及び十分な容量を備えており、清掃がしやすく、汚液及び汚臭が漏れない構造であること。
清掃用具 作業場の清掃等をするための専用の用具を必要数備え、その保管場所及び従事者が作業を理解しやすくするために作業内容を掲示するための設備を有すること。

以上が共通基準の主なものになります。これ以外にも前述したように許可の種類によっては特定基準というものがあります。逆に一定の飲食店では緩和規定というものが設けられており基準が緩和されることもあります。

ただ、文字だけはイメージしずらいので、次のページでは特に注意したほうがいいところを「保健所の施設基準①~④」にまとめましたのでご覧ください。

施設基準で不安の方は行政書士にご相談ください

当事務所では創業10年以上飲食店の許認可を専門でやってきたので、トップクラスのノウハウがあります。
そのため保健所が特にチェックするところを把握しているため適切なアドバイスができます。ご自身のお店が施設基準を満たしているかどうか不安の方やご自身で確認する時間がない方は是非ご相談ください。

手洗い器とは/保健所の施設基準①

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